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春の日は雲の上に
2007/04/01(Sun)
 曇天の下、桜が咲いている。
 こんな天気の日の桜を見ると、私はいつも俵万智のエッセイを思い出す。学校の教科書に掲載されていた文章だ。
 花曇り。
 桜を愛でるなら晴れた空の下がいいに決まっている。しとしとの雨では気分も晴れず、花も散ってしまいそう。曇り空の桜なんて、色のない天気で、薄い色の桜じゃ、ちっとも面白くない。
 けれども、この作詞家の筆の中では、不思議と曇り空の桜も素敵だな、と思わせてくれる魔力があって、詩を創る人の備えた豊かな感性や視点の鋭さに、ただただ感心したのを覚えている。「花曇り」という言葉を私はその時初めて知ったが、この言葉の響きの心地よさに加えて、俵万智によって与えられた言葉の命が、いつもこの時期の桜を眺めるたびに私の心を陶酔させる。
 桜の時期というのは、複雑な時期だ。
 3月の別れ、4月の出会い。そんな時期に桜は咲く。
 いろいろと環境が変わるから、慌ただしく人は動き回る。桜も同じように、慌ただしくわーっと咲いたかと思うと、さっと散ってしまう。別れはいつもあっという間で、気が付けば立ち去ったあと。人の別れもそんなものだ。
 3月31日。
 2年目、最後の出社日となった。次に出社する時には3年目社員だ。
 3年目か。
 入社して以来何一つ成長した覚えのない私でも、ついに3年目の春を迎えるのだから驚きだ。ただただ、いたずらに年を重ねただけのような気がしないでもなく、それでもまぁいいのかなぁ、というのが今の気持ち。回りのペースに翻弄された2年目を反省して、3年目は、自分のペースで自分らしく働いていきたい。
 とりあえず、気分を変える為にも身辺整理。
 3月の上旬からぼちぼちと私物の整理を始めた。とりあえず取りかかったのが本の整理。今でこそスローペースだが、学生の頃は常々文庫本3冊を鞄の中にしのばせて通学していた私。(1冊は行きの電車の途中で読み終わり、1冊は帰りの電車の中で読み終わり、3冊目を読みかけのまま帰路に就く)
 未整理のまま放置されている文庫本がやたらとあり、しかも、どう考えても買ったままページをめくっていない小説さえある。大概、新しい小説を購入して家に戻り、雑然と置かれた書庫の中で同じ本を見つけるのだ。そろそろ整理しましょう、とようやくにして決意。現在目録作りに勤しんでいる状態だ。
 そんな中で発掘した1冊が、北杜夫のとあるエッセイだった。割と軽めの作品で、それこそ桜の咲く公園の下で暇つぶしに読んだのを覚えている。けれども内容は覚えていない。桜が咲くように一気に読んで、桜が散るようにさっさと忘れてしまったのだろう。

 会社横に咲く桜の花が綺麗だった。
 ぼうっと眺めて気付いたが、花と葉が同時に顔を出している。灰色の空の下で一面色を失ったように見えたが、若葉の瑞々しさは輝きをとなって、白い花弁を優しく引き立てていた。
 春の日が雲の上に隠れていても、光はすぐ側で輝いている。
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コメント
-  -
北杜夫さんの作品は高校時代によく読みました。ついこの前のことのようだけどかれこれ20年前!?
ドクトルマンボウシリーズ、あと「楡家の人々」とかの純文学。
さすがに20年前ともなると懐かしいなあ。
2007/04/02 01:27  | URL | skenzi #-[ 編集] ▲ top
- 大島桜? -
白い花弁で花と葉が同時に顔を出している桜は、大島桜ですかね。
 ソメイヨシノのピンク色とはまた違った清楚な桜で好きです。
 大島桜を見かけると伊豆大島へ赴任した2年間のことを懐かしく思い出します。
 始めは不安だったけど、最後は別れがたかった島の暮らし。
 本土とは違った時間が流れている・・・良いところです。
 観光で訪れるのと住むのでは大違い。住んでみて初めて島の暮らしの良さと辛さがわかります。
 もう17年も前の話しですけど・・・・。
2007/04/06 22:09  | URL | myth #-[ 編集] ▲ top
- 桜は本当に日本の象徴ですね -
>skenziさん

 北杜夫の作品は、肩の力を抜いて読めるのがすごく好きです。(ときどきついて行けない!というものもありますが)
 楡家・・・は読んだことがありませんが、ドクトルマンボウシリーズは読みました。
 自分のイチオシは船乗りクプクプ。


>mythさん
 おもいっきり疎い私です。調べたところ、大島桜で間違いないようです。
 この花が思い出の花だなんて、素敵ですね。
 関東から外に出たことのない私ですので、そういった思い出をもたれているmythさんを羨ましく思います!
2007/04/08 23:52  | URL | かくら #-[ 編集] ▲ top
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