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名残蝉
2006/08/27(Sun)
 実は、この時期になく蝉が好きではない。「なごりぜみ」とでもいうのだろうか。秋の虫が鳴き始めるこの季節に、それでも踏ん張って鳴き続ける夏の虫。忘れ去られた季節の落とし物のようで、どうにも好きではない。
 そもそも、蝉という生き物はどうにも寂しい。
 7年も幼虫のまま土の中にいて、成虫になっても僅か1週間の命。中には10年以上土の中にいる種もいる。儚さと言えば蛍も同じだけれども、蝉が好きになれないのは、多分「夏休み」の終わりと重なるからだと思う。
 宿題は終わっていない。
 それでも、まだ遊び足りない。
 学校に行って勉強はしたくない。
 けれども、友達には会いたいから、はやく夏なんて終わってしまえ、と思う。
 良くも悪くも「終わり」を告げる時期。新しい変化が始まろうとしているこの時期に、昔を引きずって鳴くから、嫌いなのかも。
 大学に進学して、9月1日も夏期休暇を満喫できる身になっても、どうしても8月のみそかに鳴く蝉は好きではなく、社会人になって「そもそも夏期休暇って何だ?」という身分になっても、同じ。三つ子の魂なんとやらで、この時期の蝉の鳴き声には、どうにも寂しさを覚えて仕方がない。
 さて、しのぎやすい天気であることを奇貨に、今日は部屋の掃除をした。太陽の季節はおしまい。秋の遊びは、それでも虫の音かもね。
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